東京都の工芸品一覧と体験・販売先まとめ 2、生地類

投稿者: すずき@かなでや運営 投稿日:

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江戸の歴史を誇る東京には、江戸切子をはじめとした工芸品が数多く存在し、今も職人の手によって製作されています。

この記事では、東京都の工芸品を種類別にご紹介し、合わせてモノづくり体験の情報と贈り物用の情報もご提供します。

東京のお土産や贈り物を探している方、伝統工芸ワークショップに興味がある方、お店の装飾品や衣装、備品類をお探しの方に活用して頂きやすいよう情報をまとめていますので、どうぞご覧ください。

※東京の工芸品一覧および画像は、東京都労働産業局の当ページより引用しています。

 

織物、染物など生地類の工芸品一覧

村山大島紬(むらやまおおしまつむぎ)

村山大島紬

奄美大島の高級絹織物「大島紬」と同じ生糸を用いて、武蔵村山市周辺で生産されているのが、この「村山大島紬」です。

板締め注入染色法という独特の手法で色付けされ、全ての工程を手作業で仕上げるという非常に手間のかかった織物です。これが着物などに加工され使用されています。

村山大島紬作り体験:武蔵村山市の「田房染織」さんが工房見学のみ受け付けています。また、武蔵村山市が体験ツアーやイベントを開催したこともあるようです。

村山大島紬を買える場所:埼玉県入間市の「染織工房たかしょう」さん「染匠きもの展示館」さんなどで生地・製品を購入できます。

 

東京染小紋(とうきょうそめこもん)

東京染小紋

「小紋」とは、小さな模様が繰り返し描かれた染物を指します。現代ならこのようなパターンはデジタルで簡単にデザインできそうですが、かつては全て手作業。かなり精巧に作らなければガタガタになってしまいます。

小紋は江戸時代に武士に重宝され、武士が多かった江戸では小紋染めがよく発達しました。今でも手作業で作られる精巧なデザインは、着物だけでなくネクタイやストールなどの小物にも活用されています。

東京染小紋を作る体験:新宿区・面影橋の「東京染ものがたり博物館」さんで見学と体験・講義が可能です。

東京染小紋を買える場所:表参道の「染一会」さんでオーダーが可能です。また、東京2020公式サイトで、東京染小紋をモチーフにした東京オリンピック風呂敷クロスを購入できます。

 

本場黄八丈(ほんばきはちじょう)

本場黄八丈

離島・八丈島の伝統工芸品がこの「本場黄八丈」。

八丈島で自生もしくは栽培されている草木のみを使って染められる本場黄八丈は、生産者が減少し希少価値が高まっていることから「着物通が最後にたどり着く着物」とまで言われています。

本場黄八丈は黄色・黒色・樺色の3色のみしか存在せず、現在は黒色の生産が主流です。

本場黄八丈を作る体験:八丈島の「八丈民芸やました」さんで小敷物を作る体験ができます。

本場黄八丈が買える場所:「やました」さんで小物や生地が購入できます。また、楽天市場でも本場黄八丈の生地・着物の取り扱いが複数あります。

 

東京手描友禅(とうきょうてがきゆうぜん)

東京手描友禅

京友禅、加賀友禅と並ぶ「日本三大友禅」の一つである東京手描友禅。一人の職人が絵付けや染付など全行程を行うのが特徴とされています。

また、それゆえに職人のセンスがデザインに強く反映されたり、伝統にとらわれない現代的な絵柄が登場したりしています。上質かつ若々しい和装にふさわしい織物です。

東京手描友禅を作る体験:新宿区下落合の「東京手描友禅工房 協美」さん同区中井の「友禅工房 枝芳」さん葛飾区の「きもの染色工房 ひょ」さんなどで絵付けなどの体験ができます。

東京手描友禅を買える場所:常設販売の情報は見当たらず、工房に直接問い合わせて注文したり、呉服屋や展示販売といった機会で購入することができるようです。

 

多摩織(たまおり)

多摩織

養蚕、製糸、織物が盛んだった八王子市の工芸品が「多摩織」です。

全て手作業で造られており、「ずらし絣」など様々な手工の技法が伝わる、シンプルながらに高い技術を残す織物です。ネクタイや帽子、ストールといった現代的なファッション製品にも加工されています。

多摩織を作る体験:八王子市の「澤井織物工場」さんで工房見学や手織り体験が可能です。

多摩織を買える場所:「八王子織物工業組合」さんで多摩織独自ブランド「マルベリーシティー」の製品が購入できます。

 

江戸更紗(えどさらさ)

江戸更紗

インドを発祥とする木綿の染物「更紗」を、日本の伝統的な「型染め」という染色技法を応用して独自に作られたのがこの「江戸更紗」です。

複数の柄が一つの布に混ざり合った複雑で精巧なデザインは、インド風の異国情緒と和の雰囲気が混ざり合い、落ち着きのある色味ながらも強い存在感を放ちます。

現在、日本で更紗の産地として挙げられるのは東京都のみ。水に鉄分が多く含まれる神田川の恵みによって、新宿区など城西地域の流域を中心に織物・染物が発展しました。

江戸更紗を作る体験:新宿区中井の「二葉苑」さん墨田区八広の「大松染工場」さん(小紋染も可)などで染物体験が可能です。

江戸更紗を買える場所:大松染工場さんの工場併設ショップで購入が可能なほか、楽天市場でもいくつか取り扱いがありました。

 

東京本染(とうきょうほんぞめ)ゆかた・てぬぐい

東京本染ゆかた・てぬぐい

気軽に楽しめる和装として親しまれる浴衣。実は、東京では昔から製作されている伝統工芸品なのです。

現在市販されている浴衣の多くはプリント染めですが、東京では昔ながらの手染めで作られる伝統的な浴衣がまだ残っています。お祭りや部屋着に、本格的な一着を持つのも良いかもしれませんね。

また、手ぬぐいも同じく手染めのものが工芸品として生産されており、外国人観光客などもハンカチのようにお土産にする方が多いそうです。

東京本染ゆかた・てぬぐいを作る体験:葛飾区立石の「てぬクリ工房」さんで手ぬぐいの染め体験ができます。

東京本染ゆかた・てぬぐいを買える場所:「東京和晒」さんてぬクリ工房を運営するで手ぬぐいや各種製品を購入できます。実店舗は立石と浅草にあります。

 

東京無地染(とうきょうむじぞめ)

東京無地染

無地染とは、白い生地=無地をお客さんの好みの色に染めるものです。柄や厚みがそれぞれ異なる生地に、上手に染料を混ぜて色を付けていきます。

お客さんが求めた色を再現するのはやはりプロの技。一筋縄ではいかない色味の調整には、やはり職人さんも全精力を使います。手の込んだ美しい色味を味わってみてください。

東京無地染を作る体験:江東区清澄白河の「近藤染工」さんで絹の絞り染め体験ができます。

東京無地染を買える場所:近藤染工さんのオンラインショップで様々な製品が購入できます。

 

江戸刺繍(えどししゅう)

江戸刺繍

布に糸を縫い付けて絵柄を作る刺繍は、江戸・京都・加賀が三大ブランド。お客さんの依頼をもとに、何千何万という回数の針を刺し込み、少しずつ絵柄を作っていく技術は脱帽です。

刺繍は様々な布地製品に入れ込むことができるため、着物からアクセサリーまで、様々な形でその姿を現しています。

江戸刺繍を作る体験:職人の石黒陽子さんが、台東区や豊島区などで刺繍教室を開催されています。また、笹原木実さんが谷中・表参道・品川区荏原町で体験・教室を開いています。

江戸刺繍を買える場所:小平市の「京や」さんでは、江戸刺繍の着物の販売やオーダーを行っています。事業者向けでは、御徒町の「装飾刺繍マツヤプランニング」さんが江戸刺繍などの製作受注を受け付けています。

 

 

【東京都の工芸品紹介記事一覧】

1、食器類の工芸品

2、生地類の工芸品

3、家具・インテリアの工芸品

4、アクセサリー類の工芸品

5、日用品・道具類の工芸品


すずき@かなでや運営

すずきです。かなでやとKanadeCoinの運営やってます。合同会社むすびて代表。 熱い想いやこだわりを持った人、そういった人達が作った製品がすき。